92 / 出会い

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「うぉ、ここがスクランブル交差点か。」

 

僕は初めてのスクランブル交差点に興奮して、理由もなく横断歩道を渡った。

 

____________一人の女性が立っていた。

背中が少し露出された、七分袖の赤い服に、黒のパンツ。

僕好みのシンプルな服装で、背が高く、後ろからでも分かるスタイルの良さ。

もちろん周りは人で溢れかえっているのだけれど、オーラなのか、何なのか。なぜか僕は、その女性に目がいった。

無意識なのか、意識的なのか_________おそらく無意識に近い_________引き寄せられるように、僕は女性の横に行き、顔を前に出して、わざとらしく右、左と車が来ていないか確認してみせた。

もちろん、信号は赤なんだから、わざわざ確認する必要なんて一ミリもなかったわけだが。

「危ないよ!!」

女性は右手で僕の体を押さえつけた。

「うぉ、すんません。ありがとうございます。笑」

「ひかれちゃうよ、キミ。」

あの後ろ姿に似合った、美人だ。

「重たそうなリュックだね。どこから来たの?」

今日、福岡から『舞台えんとつ町のプペル』を見に来たこと。それぐらい西野亮廣が好きなこと。明日の朝6時には飛行機で帰ることを伝えた。

「えぇ!福岡から来たんだ!で、明日帰るの!?まってワケわかんない、すごいね笑笑」

「そうそう笑。で、今から寝ちゃうと明日起きれないから、今日はもうオールするって決めてるんです。

なんかいいとこあります?お姉さん」

話しながら思ったが、この26歳くらいの美人、酔っ払っている。

新入社員の歓迎会で、カラオケに来ているらしい。何人か帰ることになったから見送りに来ていたそう。

「よし、わかった!今日寝ないんでしょ?一緒に来たらいいじゃん!たぶん大丈夫」

いきなりそんなことを言い出した。そこには10人以上いるらしい。いくら僕でもその場に行くのは気がひける。

「イヤイヤ、さすがにいいっス!(笑)

気まずいし、なんか申し訳ないんでほんと大丈夫です(笑)」

 

「いいじゃん!来なよ!」

 

お酒が入ってテンションが高いこの女性の圧に負けて、渋々カラオケに参加することになった。

3回へ行き、扉をあける。僕は少し緊張していた。

女性「新入社員が増えました〜〜〜っ!!!」

「イェ〜〜〜〜〜イッッ!!!!!!」

「イェ〜〜〜〜イッ!!」

(イヤ、ノリよすぎだろっ!!)心の中でそう叫んだ。

僕を入れて、七人くらいだったかな。もちろん、全員初めましてだ。

「なんか、ほんっとすみません!笑なんかごめんなさい!笑」

そう言いながら、とりあえず握手して、名前を教えた。

僕の名前はどこに行っても珍しいみたいで、だいたい初めましての人には、

「カッコいい!」「いい名前だね!」

と、褒めてもらえる。

気に入ってるんだ。親がつけてくれたこの名前。褒められるのは嬉しい。今回も、みんないいリアクションだった。

年齢を教えると

「え!わかっかあぁ〜〜〜〜羨ましい」

この人たちめちゃくちゃ若く見えて、2、3個上かと思ったら26歳だった。

そんで、あの女性はもっと年齢がいっているらしい。

オイオイ、どんだけ見た目が若いんだよ。

ミスチルコブクロを熱唱したんだけど、これまで経験したことのないくらい盛り上がってくれて、とても気持ちが良かった。

そして、こんなことになっている現実が信じられなくて、最高すぎて、こんなことも起きるものなのかと、一人で終始ニヤニヤしていた。

 

カラオケ代は、あの女性が払ってくれた。男性もいたんだけど、どうやら全員分の支払いをカードで済ませたみたいだ。

 

 

 

 

__________後から聞いた話。

あの場にいた人達は、”AZUL BY MOUSY”というアパレルブランドの社員さん。

驚いた。あのAZULか。僕誕プレでもらったよ、そこの服。

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そしてもっと驚いたのは、スクランブル交差点で出会ったあの女性は、その”AZUL BY MOUSY”の創業から関わっている、トップの位置にいる人らしい。

そして、自分でもアパレルブランドを他に2つ立ち上げていて、アパレル界では有名な人なんだそうだ。

結婚もしていて子供もいる。それであのスタイル。

本来なら会いたいと思ってもなかなか会えない、とにかくすんげー人で、植田みずきって名前らしい。

「だからみずきさんは、ほんっと規格外の人なんだよ!みんなあの人に憧れてるし、会社からも必要とされてる。あの人と一緒に働きたくてこの会社に入る人もいる。」

その後一緒に呑みに行った同い年の子が言っていた。

 

僕はそんなすごい人とたまたま出会って、カラオケで一緒に熱唱してたのか。

人生、面白いなぁ。

いつ何があるかわからないもんだ。

 

素敵な出会いを与えくれて、楽しい夜の時間を与えてくれて、初対面の僕に対して奢ってくれて。

まさか、僕はそれでラッキー!だけで終わるような、薄情な人間ではない。

自分にできる形で恩返しをしたいし、どこまでも情が熱い、ビッグな男になりたい。

与える人は、それ以上のものを与えられるべきだ。そんな素敵な世の中がいい。

 

「また、どこかで。」

そう言ってお別れした。

必ずまた会うときが来ると本気で思っている。あの女性も、一緒に呑みに行ったあの子も。

あの日きつい思いを覚悟で東京に行かなかったら、あと数秒横断歩道を渡るのが遅れていたら、何も起きなかっただろう。

そんな奇跡みたいな出会いを、僕は大切にしていきたい。

 

 

 

_________「今の仕事は出会いがない」

そんなことを言う人は、まさか今自分のやってる仕事が良い出会いを与えてくれるなんて思っているのだろうか。

家でゴロゴロしていても、人生が変わるような素晴らしい出会いなんてものは、起きるワケがない。

断言しよう。

出会いがないのは、出会う努力をしていないからだ。

 

「日南太は運がいいね」

よく、そんなことを言われる。けっこう言われるから、周りから見たら僕は『運がいい人』なのかもしれない。

でも、当の本人である僕は、『運』とか『神さま』とか『占い」とかそういった類のものを、全く頼っていないし、1ミリも信じていない。

これは高校の時あたりから、ずっとだ。

僕は、出会いの素晴らしさに気づいてから、良い出会いに巡り合うための努力をしている。

とにかくいろんな場所に足を運ぶ。

愛嬌を良くして、人に話しかける。

広いチェーン店ではなく、なるだけコミュニケーションの距離が近い、人と会話が出来る店に入る。

「行った先で何かが起きる」

この言葉を大切にして、とにかく、行く。

 

そりゃ、こんなことを意識して旅行に行ったりすれば、だいたい何か良い出会いに巡り合う。

明らかに、何もしない人よりも出会いの確率はグンっと上がる。

今回の出会いも『たまたま』だったワケだけど、とにかく動く僕はその『たまたま』が起きる回数が多い。

そんな、出会いがよくある僕の姿を見て、周りの人は「運がいいね」と感じる。

ただそれだけの事だと思う。

 

 

“困難にぶつかったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。

三時間後の君、涙がとまっている。

二十四時間後の君、涙は乾いている。

二日後の君、顔を上げている。

三日後の君、歩き出している。”

 

 

昨日は小説を読んでいたら、こんな素敵な言葉と出会ったよ。

良い出会いは何も、人だけではなく、

言葉、料理、服、動物.....。

いろんな形があると思う。

人と出会えない時は、本を読んで考え方が変わるような言葉と出会ったらいい。

行ったことのない店に行って、食べたことのない美味しい料理に出会ったらいい。

出会い方は、いろいろある。

そして、全て自分次第だ。

 

今日も、たくさん動いて、たくさんお話しして、たくさん考えて、新しい自分に出会えたらいいな。

そして、

日南太に出会えて良かった!

って思ってもらえるような人になりたい。

そんな自分を目指して、今日も頑張ろうと思う。

 

あなたも、頑張って。

 

【植田みずきさんの手掛けるアパレルブランド】

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ENFÖLD

https://www.enfold.jp/

någonstans

https://elleshop.jp/web/brand/nagonstans/

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AZUL BY MOUSY 

https://azul-m.com/

 

ファッション好きの方はぜひ。

ミジンコ並みに微力ではありますが、

今の僕にできる恩返しとして。

応援しています。

https://senken.co.jp/posts/mizuki-ueda-interview-190816

 

 

 

 

【食事記録】

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【筋トレ記録】

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